1. はじめに
7. 関連項番
以下、関連項番の要求事項解説もあわせてご活用ください。
7.1 関連度:大(併読を推奨)
7.2 関連度:小
8. 内部監査での確認ポイントと質問例
8.1 内部監査での確認ポイント
【顧客要求事項への適合】
- 顧客の契約・仕様書・注文書等に基づいた要求事項が明確に識別されているか
- 顧客要求事項が設計、製造、検査、納品の各プロセスに反映されているか
- 顧客要求の変更に対して、関連部門が迅速に対応し、適切に記録・伝達されているか
【法令・規制要求への適合】
- 製品やプロセスに適用される法令・規制が明確に識別され、一覧化されているか
- 法令・規制が設計・製造・供給プロセスで遵守されているか
- 法規制の変更時に、QMSへの反映や社内周知が確実に行われているか
【サービス部品・アウトソースへの適合】
- サービス部品の品質・仕様・納期が顧客要求と一致しているか
- サービス部品の在庫管理・識別・トレーサビリティが確保されているか
- アウトソーシング先の選定、評価、監査が定期的に実施され、記録されているか
- 委託先が顧客や法規制の要求事項に適合していることを確認できる証拠があるか
8.2 内部監査での質問例
【顧客要求に関する質問】
- Q:この製品の顧客要求事項はどの文書に基づいて定義されていますか?
- Q:顧客要求の変更があった場合、どのように社内へ展開していますか?
- Q:過去1年間であった顧客要求の変更事例と、それへの対応内容を教えてください。
【法令・規制に関する質問】
- Q:この製品に適用される法規制をどのように識別していますか?
- Q:最近、関連法規制の変更はありましたか?それにどう対応しましたか?
- Q:法令・規制への遵守状況を確認するために、どのような記録を管理していますか?
【サービス部品・アウトソースに関する質問】
- Q:サービス部品の品質が顧客要求に適合していることは、どのように確認していますか?
- Q:アウトソース先の選定基準と、品質監視の方法について説明してください。
- Q:直近でアウトソーシング先に対して行った監査結果と、改善指導の実施内容を教えてください。
よくある質問と回答
Q. 4.4.1.1項でいう「製品及びプロセスの適合」とは、どこまでを対象に考えればよいですか?
A.
4.4.1.1項の「製品及びプロセスの適合」は、最終製品だけを指すものではありません。
設計、購買、製造、検査、物流、サービス部品、アウトソース工程までを含めた一連のプロセス全体が対象です。
特に重要なのは、以下の3点すべてに適合していることです。
- 顧客要求事項
- 法令・規制要求事項
- 社内で定めた品質基準・手順
いずれか一つでも欠けると「適合」とは言えず、QMS全体としての弱点になります。
Q. 顧客要求事項は、どの文書を基準に管理するのが適切ですか?
A.
顧客要求事項は、単一の文書ではなく、複数の情報源を統合して管理する必要があります。代表的なものは以下です。
- 契約書、注文書
- 製品仕様書、図面
- 顧客固有要求事項(CSR)
- 変更通知、等
重要なのは「どの要求が、どのプロセスに反映されているか」を追跡できる状態にしておくことです。
要求事項一覧や要求展開表を作成し、設計・製造・検査などの各プロセスとの紐づけを明確にすることが実務では有効です。
Q. 顧客要求が頻繁に変わる場合、4.4.1.1項では何を重視すべきですか?
A.
頻繁な変更がある場合に重視すべきなのは、「変更管理の仕組み」が機能しているかどうかです。
単に変更を受け取るだけでは不十分で、以下の流れが確立されている必要があります。
- 変更内容の正式な受領と記録
- 影響範囲の評価(設計・工程・在庫・外注先など)
- 関連部門への展開と教育
- 実施結果の確認と記録
変更対応のスピードと確実性は、製品・プロセスの適合性を左右する重要な要素です。
Q. 法令・規制要求事項は、どの程度まで把握しておく必要がありますか?
A.
自社製品・プロセスに「適用される範囲」に限定して、確実に把握しておく必要があります。
すべての法規制を網羅する必要はありませんが、以下は最低限求められます。
- 適用される法令・規制が明確に識別されている
- 製品仕様や工程条件に反映されている
- 規制変更時の対応ルールが決まっている
特に自動車業界では、国・地域ごとに規制が異なるため、販売先や使用地域を考慮した管理が重要です。
Q. アウトソース工程について、どこまで自社が責任を持つ必要がありますか?
A.
アウトソースしていても、最終責任は自社にあります。
IATF16949では「外部委託=責任移転」とは認められていません。
そのため、以下の管理が求められます。
- 委託先選定基準の明確化
- 品質要求事項の明文化(品質契約など)
- 定期的な評価・監査
- 不適合時の是正・改善フォロー
アウトソース先を「自社プロセスの一部」として捉える視点が重要です。
Q. 4.4.1.1項と内部監査は、どのようにつなげて考えればよいですか?
A.
内部監査では、「要求事項が実務として機能しているか」を確認することがポイントです。
具体的には、以下の観点で確認します。
- 顧客・法規要求が現場まで正しく伝わっているか
- 手順通りに運用され、記録が残っているか
- 問題発生時に是正・改善が行われているか
単なる文書確認ではなく、実際の運用・判断・対応まで踏み込んで確認することで、4.4.1.1項の実効性を高めることができます。
Q. 4.4.1.1項を適切に運用すると、企業にはどのようなメリットがありますか?
A.
適切に運用できると、以下のような効果が期待できます。
- 顧客クレームや不適合の未然防止
- 法令違反リスクの低減
- 外注先を含めた品質の安定化
- 品質対応に追われない体制づくり
結果として、品質保証活動が「後追い対応」から「予防・改善型」へと進化し、企業の信頼性と競争力の向上につながります。





