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IATF 16949 8.6.2項:レイアウト検査及び機能試験【要求事項解説】

1. はじめに

IATF16949では、製品が顧客の要求を満たすことを保証するために、レイアウト検査や機能試験を実施することが求められています。

本記事では、「8.6.2 レイアウト検査及び機能試験」に関する要求事項を詳細に説明し、なぜそれらが製品品質保証において重要なのかを解説します。

また、レイアウト検査や機能試験をどのように実施し、結果を顧客に提供するかについて、具体的に理解を深めていきます。

 

2. レイアウト検査とは

2.1 レイアウト検査の目的

レイアウト検査は、製品が設計記録に示された寸法通りであることを確認するために行われる検査です。

この検査の主な目的は、製品の寸法や形状が正確であるかを確認し、製造工程において意図した通りの品質が保たれているかを評価することです。

設計記録との照合

設計記録とは、製品が満たすべき仕様や寸法、性能基準などを記録したものです。

レイアウト検査では、設計記録に基づいて、製品がこれらの要求を満たしているかを確認します。

設計記録に示される全ての製品寸法を完全に測定することが求められています。

2.2 レイアウト検査の実施方法

レイアウト検査では、製品の全ての寸法を測定し、設計図面に示された仕様に対して適合するかどうかをチェックします。

この検査は通常、専用の測定機器を使用して行われます。

例えば、三次元測定機(CMM)や精密測定器具などが使用され、製品の各部分が要求された寸法通りであることが確認されます。

2.3 レイアウト検査の重要性

レイアウト検査は、製品が設計通りに製造されていることを確認するために不可欠です。

製造プロセスで発生する可能性のある誤差や不具合を早期に発見し、修正することで、最終的に顧客に提供される製品の品質を確保できます。

この検査により、設計ミスや製造工程での問題が見つかることもあります。

そのため、レイアウト検査は製造初期に実施することが推奨される重要な検証ステップとなります

 

3. 機能試験の実施

3.1 機能試験の目的

機能試験は、製品が顧客の要求する性能を満たしているかを検証するために行われます。

これは、製品が設計仕様を満たしているだけでなく、実際に使用される際にその機能が適切に働くかを確認する試験です。

例えば、エンジン部品であれば耐久性や動作性能、電子機器であれば信号の送受信能力などがチェックされます。

3.2 機能試験の種類

機能試験は製品の種類や特性に応じて多岐にわたります。

代表的な機能試験には以下のようなものがあります。

  • 耐久性試験: 長期間使用した場合に製品が劣化しないかを確認します。自動車部品であれば、振動や熱、湿度などの過酷な環境下で性能を維持できるかを確認する試験が行われます。
  • 性能試験: 製品が設計通りの性能を発揮できるかをチェックします。たとえば、電圧、電流、出力などの測定が行われます。
  • 安全性試験: 製品が安全に使用できることを確認する試験です。製品が適切に動作し、危険を引き起こさないかを評価します。

3.3 機能試験の実施方法

機能試験の実施には、試験に必要な機器と環境が整備されている必要があります。

例えば、エンジン部品の耐久性試験であれば、エンジンの動作を模倣できる設備を使用して、所定の条件下で長期間運転させることになります。

こうした試験結果は、顧客が要求するパフォーマンス基準を満たしているかを検証するための重要な証拠となります。

 

4. コントロールプランに基づく実施

4.1 コントロールプランの重要性

要求事項において、レイアウト検査と機能試験はコントロールプランに規定された通りに実行しなければならないと明記されています。

コントロールプランは、製品やサービスの製造過程における各工程で行うべき検査や試験を記載した文書であり、品質保証活動における基本的な指針となります。

これに従って検査や試験が実施されることで、製品が顧客要求に適合しているかが確認され、製品品質が保証されます。

4.2 顧客へのレビュー

レイアウト検査や機能試験の結果は、顧客がレビューできるように提供されなければならないとされています。

この要求は、顧客に対して透明性を確保し、製品の品質に関する信頼を高めることを目的としています。

検査結果を顧客に提供することで、製品が顧客の要求に確実に合致していることを証明することができます。

 

5. 結論

「8.6.2 レイアウト検査及び機能試験」の要求事項は、製品が顧客の要求を満たしているかを確認するために必須の活動であることがわかります。

レイアウト検査によって製品寸法が設計記録に従っているかが確認され、機能試験によって製品が要求された性能を発揮するかが検証されます。

これらの検査と試験は、コントロールプランに基づいて実施され、結果は顧客に提供されることが求められています。

これらを正しく実施することで、製品が設計通りの品質を持ち、顧客の信頼を得ることができます。

 

6. 関連項番

以下、関連項番の要求事項解説もあわせてご活用ください。

6.1 関連度:大(併読を推奨)

6.2 関連度:小

7. 内部監査での確認ポイントと質問例

7.1 内部監査での確認ポイント

(1) レイアウト検査の実施状況

  • 製品寸法が設計記録に基づき正確に測定されているか
  • 三次元測定機(CMM)などの適切な測定機器を使用しているか
  • 設計記録に示された全寸法の測定が確実に行われているか
  • 製造初期段階での検査が適切に実施されているか

(2) 機能試験の実施状況

  • 製品の耐久性、性能、安全性に関する試験が計画的に実施されているか
  • 試験環境および機器が適切に整備されているか
  • 試験結果が顧客の要求性能を満たしているか検証されているか

(3) コントロールプランに基づく管理状況

  • レイアウト検査および機能試験がコントロールプランに従って実施されているか
  • コントロールプランに検査・試験項目、方法、頻度、責任者が明確に記載されているか
  • 検査・試験結果が記録され、管理されているか

(4) 顧客への検査・試験結果の提供

  • レイアウト検査および機能試験の結果が適切に顧客へ提供されているか
  • 顧客レビューに必要な情報が透明性を持って共有されているか

7.2 内部監査での質問例

(1) レイアウト検査について

  • 製品寸法の測定はどのように行っていますか?
  • 使用している測定機器は何ですか?校正は適切に行われていますか?
  • 設計記録に示された全ての寸法を測定していますか?
  • 製造初期段階での検査はどのように計画・実施されていますか?

(2) 機能試験について

  • 製品の耐久性や性能試験はどのように行っていますか?
  • 試験に必要な設備や環境は整っていますか?
  • 試験結果はどのように記録し、評価していますか?
  • 試験結果が顧客要求を満たしていることをどのように確認していますか?

(3) コントロールプランに基づく管理について

  • コントロールプランにはどのような検査・試験項目が含まれていますか?
  • 項目ごとの実施方法や頻度、責任者は明確にされていますか?
  • 検査・試験の記録管理はどのように行っていますか?

(4) 顧客への結果提供について

  • レイアウト検査や機能試験の結果は顧客にどのように提供していますか?
  • 顧客からのフィードバックやレビューはどのように管理していますか?

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