1. はじめに
5. 関連項番
以下、関連項番の要求事項解説もあわせてご活用ください。
5.1 関連度:大(併読を推奨)
5.2 関連度:小
6. 内部監査での確認ポイントと質問例
6.1 内部監査での確認ポイント
【1. QMS設計とプロセスの明確化】
- QMSが組織全体のプロセスに適用されているか
- 各プロセスのインプット(入力)・アウトプット(出力)が明確に定義されているか
- プロセスの相互作用が視覚的に示されている(例:プロセスマップ)か
- プロセスごとに目的・成果・パフォーマンス指標が設定されているか
【2. プロセス運用と管理状況】
- プロセスごとの責任者と権限が明確に割り当てられているか
- プロセスに必要なリソース(人、設備、情報、資材など)が適切に確保されているか
- プロセスの運用が、定められた手順・基準に従って実施されているか
【3. パフォーマンスの監視と改善】
- 各プロセスに対して、定量的なパフォーマンス評価が行われているか(例:不良率、納期遵守率)
- 評価結果に基づく改善活動が定期的に実施されているか
- PDCAサイクルを活用して、継続的改善が図られているか
【4. リスクと機会の管理】
- 各プロセスに関連するリスク・機会が特定され、文書化されているか
- リスクに対する対応策(予防・回避・低減など)が講じられているか
- 機会に対する戦略や改善活動が展開されているか
6.2 内部監査での質問例
【プロセス設計・構造に関する質問】
- Q:このプロセスの主なインプットとアウトプットは何ですか?
- Q:このプロセスは他のどのプロセスと連携していますか?相互作用をどのように管理していますか?
- Q:このプロセスの目的やKPI(パフォーマンス指標)は何ですか?
【運用状況に関する質問】
- Q:このプロセスを実施する上で必要な人材や設備は確保されていますか?
- Q:プロセス実行にあたっての手順や基準は文書化されていますか?それに従って運用されていますか?
- Q:このプロセスの責任者として、どのような役割と権限を持っていますか?
【パフォーマンス評価と改善に関する質問】
- Q:このプロセスの効果をどのように評価していますか?直近の評価結果は?
- Q:評価結果に基づく改善活動は何か実施されましたか?
- Q:改善策の効果はどのように確認されていますか?
【リスクと機会に関する質問】
- Q:このプロセスにおける主要なリスクは何ですか?それに対する対応策は?
- Q:このプロセスにおいて、改善や効率化の機会として取り組んでいることはありますか?
よくある質問と回答
Q. 4.4.1項でいう「プロセス」とは、どこまでを指しますか?
A.
4.4.1項におけるプロセスとは、製造工程だけを指すものではありません。
受注、設計、生産技術、購買、物流、品質保証、管理部門の業務まで含めた、組織の業務活動全体が対象となります。
インプットを受け取り、付加価値を与えてアウトプットを生み出す活動であれば、すべてQMSプロセスとして整理する必要があります。
Q. プロセスの相互作用は、どのレベルまで明確にする必要がありますか?
A.
すべてのプロセス間の詳細なやり取りを細かく記述する必要はありませんが、
「どのプロセスが、どのプロセスに影響を与えているか」が第三者に説明できるレベルで明確にする必要があります。
一般的には、プロセスマップやフローチャートを用いて、主要プロセス間の流れと関係性が分かるようにしておくことが有効です。
Q. インプット・アウトプットは、文書で必ず定義しなければなりませんか?
A.
必ずしも個別の文書を作成する必要はありませんが、
結果としてインプット・アウトプットが明確に示されている状態が求められます。
例えば、プロセスマップ、業務フロー図、工程表、手順書などにより、
インプットとアウトプットが客観的に確認できれば問題ありません。
Q. プロセスのパフォーマンス指標(KPI)は、必ず数値で設定する必要がありますか?
A.
原則として、定量的な指標を設定することが望ましいとされています。
不良率、歩留まり、納期遵守率など、数値で評価できる指標は監視・改善に有効です。
ただし、すべてを数値化できない場合でも、
評価基準や達成判断の方法が明確であれば、定性的な指標が認められるケースもあります。
Q. プロセスの責任者は、役職者でなければなりませんか?
A.
必ずしも役職者や管理職である必要はありません。
重要なのは、そのプロセスを管理・改善する権限と役割が明確に与えられていることです。
実務に最も近い担当者が責任者となり、必要に応じて管理職が支援する形でも問題ありません。
Q. 4.4.1項と、リスク機会への取組み、の関係はどう考えればいいか?
A.
実務上は6.1項(リスク及び機会への取組み)と連動して管理されることが一般的です。
重要なのは、各プロセスにおいて
「どんなリスクがあり、どのように管理しているか」が説明できる状態にあることです。
Q. プロセスの評価は、内部監査だけで十分ですか?
A.
内部監査は重要な評価手段の一つですが、それだけでは不十分です。
日常のKPI監視、マネジメントレビュー、工程監視結果なども含めて、
総合的にプロセスを評価していることが求められます。
内部監査は「定期的なチェック」、
日常管理は「継続的な監視」と位置付けると理解しやすいです。
Q. 4.4.1項で不適合になりやすいポイントはどこですか?
A.
実務で多い不適合ポイントは、以下のような点です。
- プロセスの相互作用が説明できない
- KPIはあるが、評価や改善に使われていない
- プロセス責任者が不明確
- リスク管理が形式的で、プロセスと結び付いていない
文書の有無よりも、「実際に運用されているか」が重視されます。
Q. 4.4.1項を実務でうまく運用するコツはありますか?
A.
新しい仕組みを作り込むよりも、
すでに行っている業務を「プロセスとして整理する」意識が重要です。
既存の業務や組織体系、会議体、指標管理をQMSの枠組みに当てはめることで、
無理なく4.4.1項の要求を満たす運用が可能になります。










